【ようこそ実力至上主義の教室へ】<8巻〜10巻>櫛田降ろし・・・からの山内降ろしは必然だった!

ようこそ実力至上主義の教室へ
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今更ながら読み進めている「ようこそ実力至上主義の教室へ」の8〜10巻の感想記事です!

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8巻

Aクラス以外での卒業

以前も何度か触れられてきましたが、この学校の卒業時の特権はAクラスのみに与えられる「自由な進学・就職先」であり、Bクラス以下の場合はその特権は与えられません。

そうなった場合、Bクラス以下の生徒はどのような対応が待っているのか。

デメリットとしては『勝ち上がれなかった生徒』というレッテルを貼られる
一方で高度育成高等学校出身者を買っている層も少なくないだろう

新たなる特別試験ー混合合宿ー

確かに上記の2パターン考えられますが、生徒が想像できる範囲の回答が待っているのかどうかがそもそも疑問です。

そもそもBクラス以下は「高度育成高等学校出身」を名乗れるのかどうか。
『学校に在籍していたことはなかったことになる』という可能性もあるのではないかと。

常に退学を迫ってくる程勝ち負けに固執したこの学校であれば、Bクラス以下の負けた生徒たちにはそれ相応のペナルティがあってもおかしくはないかと思います。

ただ、学校の外に出てしまった生徒たちにそこまでの情報操作ができる訳もないとは思うので、そんな話であればどこかで暴露されていてもおかしくないですが・・・

もし卒業認定されないとして、『Bクラス以下は卒業認定されないこと』が発覚することは『卒業すること』には固執している高円寺がいずれクラスに加担するようになる理由付けにもなるかなと。

可能性が2パターン提示されたからこそ、それ以外の可能性を消すという作者側のリードに見えたので3パターン目を考えてみました。

混合合宿は会社の組織と同じである

今回のお題になった混合合宿は、まさに「会社の組織」といえる組み合わせでした。

小グループと大グループは係と部門。(大グループ同士の争いなので部門と会社の方が適切かもしれない)
1〜3年生が含まれるのは先輩と後輩。
試験内容も学力ではなく礼節やスピーチなど、社会で生きるために必要な要素でした。

啓誠のようにやりたくなくとも責任者をやらされたり、石崎や高円寺のように独自の感性で動いたり、南雲のように裏で糸を引いていたりと、組織単位のしがらみだけではなく人間関係もそれぞれです。

元々学力で実力を測っていないこの学校だからこそできる試験ではありますし、試験によってこれまで学力に拘っていた啓誠も成長の兆しを見せているだけに、この学校の意義は十分にあるんだなと感じさせられます。

9巻

たかが万引き、されど万引き

坂柳の手によって行われた一ノ瀬堕とし。
一ノ瀬の過去の闇を暴き、それを突いていくという作成でしたが・・・・その闇が万引きとは、正直しょぼかったですね。

褒められた行為ではないこと、『泥棒』という過去がある以上プライベートポイントを奪ってしまう可能性があることはその通りですが、学生の万引きなんてまぁまだまだ可愛いものです。

場外からの一手を出すにはそれぐらいしかないということは、それ自体が一ノ瀬は善人であることの証でもあると思いますし、本来の目的は綾小路の興味を引くことだったのでこの程度で終わらせたとも言えます。

坂柳からしてみれば刺してみて勝手に崩れてくれれば儲けもの。そのぐらいだったんでしょう。

むしろ今回のことでわかったのは、いかに一ノ瀬が善人であるかということ、そして嘘に対して敏感である理由ですね。

1回の万引きでここまで塞ぎ込んでしまうということは、それだけ万引きがいけない事だと理解しているということ。これまで裏がありそうな善人っぷりの一ノ瀬でしたが、その善人さは本当だったと裏付けるエピソードだったかなと。

そしてそんな善人が嘘に敏感な女の子であったこと。

それに人って簡単に嘘はつけないんだよ。特にゴールが見えてきた最後の瞬間には油断や緊張、隙が生まれちゃう。

4巻 それぞれの差

4巻の干支試験。サラッと言ったセリフではありますが、一ノ瀬が嘘で痛い経験をしたことがあるからこそ、嘘をついている人間がどういう動きをするのかわかっていたということですね。

動き始めた櫛田退学作戦

特別試験もなく、メインが一ノ瀬と坂柳というCクラスには関係のない部分だった一方、Cクラスに関係することとしては綾小路の櫛田降ろしが始まったことでしょう。

櫛田桔梗の持つ情報の量と質。それを確かめーーー退学させるため。

すべてのカラクリ

櫛田を退学させようとしても、手順を誤れば櫛田は爆弾を爆発させて退学することも可能です。
ただ、現時点ではその爆弾の火力が測れていなかったため、本当に爆発させてはいけないものなのかを見極めたかった綾小路。

一ノ瀬問題に主軸を置いていると見せつつ、櫛田を探ること、自身を残すメリットを提示すること、恵との関係性の予防線を貼ること。
やり方が完璧すぎますね。

ただ、櫛田を堕とすということは堀北の成長を待たないということでもあり、堀北からの反感を買うことでもあります。
現時点の堀北が余りにも「人を見捨てない」という方向に行きすぎていることの軌道修正に使うつもりかもしれませんが・・・

いずれにせよ、『プライベートポイントの譲渡』という明確なデメリットが生まれてしまった以上、櫛田が改心して堀北たちと協力し協定の解除をしない限りは綾小路の手によって退学させられることは確定と言っていいでしょう。

フェードアウトしていくと決めながらなんだかんだ裏では動いている綾小路。
逆に言えば、綾小路パッパや南雲の影響によって身に降りかかる火の粉を払うために動かざる得ないとも言えますが・・・

10巻

巧妙に仕組まれていた山内降ろし

クラス内投票によって最下位だった生徒を退学させる。

生徒目線では誰が最下位になるのかと疑心暗鬼になる争いでしたが、読者という神目線では『綾小路の櫛田降ろし』がついに実現する展開だと期待してしまいますね。

以前から『退学者を出す』ことを検討し、ここまでクラスの裏切り者として立ち回り、9巻では綾小路のプライベートポイントの半分を提供する契約を結んでさらに邪魔者となっていた櫛田。

人気投票という、櫛田が上位のランキングを取りそうな特別試験にて綾小路がどう立ち回って櫛田を最下位にするのか、最下位が確定した後に大爆発するかもしれない櫛田の爆弾をどう押さえつけるのか、綾小路の実力の見せ所・・・かと思いましたが、展開は違い最下位になったのは山内でした。

確かに3バカ・・・、須藤は実力的にはその位置を脱却していますが、池と山内の2バカ。
大差がない2人に見えますが、片方は生き残り、片方は退学という結果につながりました。
改めて1巻から池と山内を見ると、実は同じ様なバカ枠に見えて、全然池の方が優秀であることに触れられています。

池は自分で状況を把握して冷静になることができる、優れた人間だ

2巻 

山内は自らの不注意でぶつかった、という可能性を微塵も考えていなかった

8巻

上記は一例ですが、池は無人島の試験での役立ちや精神的な成長が見られるのに対し、山内は本当に何もありません。

今回退学の引き金となった坂柳とぶつかった件についても自分のことしか考えられていません。

同じ道を歩いてきたように見える2人ですが、実は成長曲線は全く違った訳です。

もちろん、可能性としては山内の方が大器晩成型という可能性もあるので、未来の話はわかりませんが・・・
今回の試験では、これまでの評価と今後成長する要素があるかという点で不要な生徒を省く試験でした。

そう考えると、池ではなく山内が選ばれるのは必然であり、神目線の衣笠先生としても山内は常に退学の筆頭候補として物語を運んできたんだなと思います。

次回は11巻&11.5巻

初の退学者も出し、1年生終盤で大きな動きを見せてきましたね。
11巻、11.5巻と坂柳との対決、恵との関係性の変化と、1年生編の集大成が楽しみです!


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