青ブタ11巻『青春ブタ野郎はナイチンゲールの夢を見ない』読み終わりました!
まだまだ大学生編の序章という感じですが、ラストの引きは次巻の波乱を感じさせるものでしたし、11巻の思春期症候群はこれぞ青ブタ!という感じの別の世界線が絡む話でした!
じゃあ、11巻の感想と簡単な考察でも!
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あらすじ
突如咲太の目の前に現れた、霧島透子を名乗るミニスカサンタ。彼女が「思春期症候群をプレゼントした」という学生たちのなかには、咲太の中学時代のクラスメイト・赤城郁実がいて――。
書き込んだ夢が正夢になる、と学生たちのSNSで話題の都市伝説『#夢見る』。郁実がそれを利用し、「正義の味方」として人助けしている姿を目撃した咲太は、彼女の身体がポルターガイストのような現象に襲われていることを知る。しかもその原因は過去の咲太にあるらしく……!?
「ねえ、梓川君。ひとつ勝負をしない?」
鍵をかけていた過去の扉をあける、シリーズ第11弾。
感想!
大学生編Part2となった11巻!
大学生編の導入となった『ランドセルガールの夢を見ない』で出てきた赤城郁美を軸に巻き起こる思春期症候群のお話し。
(ここからネタバレあり)
個人的に咲太と上里の絡みって結構好きなんですが、今巻はその絡みがかなり多く至る所でニヤニヤしてましたw
咲太、佑真、双葉と上里を取り巻く関係って複雑なんですが、それでも大きな問題なくやっていられるのは佑真の人柄の良さ故なのかなって感じますね。
なんだかんだ咲太の手助けをしてあげる上里のツンデレっぷりがたまらなく好きなので、このまま思春期特有の悩みなんかを拗らせずにこのままの関係でいて欲しいところ。
そして肝心の思春期特有の悩みを拗らせちゃったのは赤城郁美。
思春期症候群の症状としてポルターガイストにかかる赤城はえっちだなって思ってたら本当にえっちしてたのは流石に笑いました。
違う世界に生きていつつも感覚を共有しているからこそ起こる現象だったのでしょうが、正直エロ漫画に近いものがあって良さみがありましたねw
大学生編が始まった時に意味深に登場した赤城でしたが、話としては早々に消化してしまいました。
ですが大事なのは赤城というキャラではなく、赤城の後ろにある「違う世界線」(ヒルベルト空間?)なんだなと認識させられる巻でしたね。
次回の引きで向こうの世界の咲太からメッセージが届きましたし、それを中心に咲太と舞衣のストーリーになっていく感じがありますからね。
大学生編の序章はここまで、という感じで次巻はもしかしたら夢見る少女の時の様に前後編に別れるぐらい壮大なストーリーかもしれませんね。
赤城の思春期症候群
赤城の思春期症候群は青ブタお馴染みの「違う世界線」関係のものでした。
こちらの世界の赤城は「中学の時に何もできなかった自分を引きずってしまった」
あちらの世界の赤城は「正義の味方になれなかった自分を引きずってしまった」
どちらも似た様な悩みではありますが、違うのは咲太の存在。
こちらの世界の咲太は中学時代に思春期症候群を解決できず、
あちらの世界の咲太は中学時代で思春期症候群を解決してしまった。
赤城にとっては、何もできなかった自分を悔やみ続ける世界線、
一方は自分がすべきことを咲太が成し遂げ、何にもなれなかった自分を僻む世界線。
2人の赤城がコンプレックスを抱えた結果、「逃げたい」という思いを強く抱えてしまった赤城。
中学の失敗を引きづり続けている自分を咲太に見せずに「逃げ出したい」赤城、
なりたい自分や大学生にすらなれない世界から「逃げ出したい」赤城。
思惑が交差した結果、入れ替わりが発生してしまったのが今回の思春期症候群という解釈です。
入れ替わったのは大学の入学式直後から、並木道で咲太に会うまでの間。
また、どちらの赤城も入れ替わった先の世界から「帰りたくない」と言っていましたが、入れ替わった世界がそれぞれの赤城に都合のいい世界だったのはたまたまだったのかなと思います。
ミニスカサンタこと霧島透子さん
10巻の最後にも意味ありげにでてきた霧島さん。
今回もちょいちょい意味ありげに登場し、実際に意味深なことを言って去って行きました。
わたしはプレゼントを配っただけ。みんなが欲しがっていたプレゼントを
霧島さんがバラ撒いた思春期症候群ですが、その数は1000万個で、すでに配り終えたと。
その中にづっきーと赤城の思春期症候群もあり、づっきーの場合は「空気が読める様になること」、赤城の場合は「なりたい自分になること」がプレゼントだったのかなと思われます。
1000万で思いつくのは、10〜19歳の人口ぐらいなんですよね。。
思春期真っ盛りの年代の子にプレゼントを渡したことで、何かしらの思春期症候群が発症する様になったと考えれば、霧島さんの言ってることも分かる様な気がします。
プレゼントの内容は思春期症候群そのものではなく、「理想」を具現化すること、なんじゃないかと思います。
理想をより明確に見てしまうことで、今の自分とのギャップに気づき、悩みが発生することで思春期症候群につながってしまう。
霧島さんがまだまだミステリアス過ぎてわからないですね。。。
なぜ赤城が朋絵達の思春期症候群を知っているのだろうか
赤城が別の世界から来たとバレた際、別の世界での出来事を語っていましたが、その中で腑に落ちないセリフがありました。
桜島先輩を助けて、古賀さんを助けて、双葉さんの助けにもなって
なんで赤城は舞衣さん、朋絵、双葉の思春期症候群のことを知っているんだろうか。
別の世界では思春期症候群が周りから認知された世界だとしても、赤城が知り得る様な思春期症候群ではなかったはず・・・
特に朋絵の思春期症候群は尻を蹴りあった咲太だからこそ、量子もつれが発生して咲太だけ認識できたのに、なぜそれを赤城が知っているんだろうか・・・
こちらの世界でも咲太、朋絵、双葉しか知らず、舞衣さんですら知らない朋絵の思春期症候群。(双葉も体感はせず、咲太から聞いただけ)
向こうの世界では同じ高校のクラスメイトだったから、そういった話をする間柄だったり、そういう話ができる咲太だったかもしれませんが、何か伏線の様な気もします。。。
「あとがき」がとても良かった
個人的にラノベ・・・というか文章を読むのがとにかく苦手なので(好きな作品なのでなんとか読めてますが)、あとがきまで達するとゴールについた感覚になってうれしくなるんですよね。
なのであとがきを読むのって結構好きなんですが、今回の鴨志田先生のあとがきは短くもとても良かったですね。
一日でも早く、何もない日々が来ますように
思春期症候群に巻き込まれる咲太たちの心情ともリンクしているように読み取れますし、多分11巻を書いている時はちょうどコロナの外出自粛なども重なっていた時期だと思うので、リアルの日常に対してのメッセージでもあると思います。
また、作家は忙しいと聞くので「暇が欲しい」という裏の意味もあるのかもしれませんw
かなり短いあとがきでしたが、強いメッセージ性を感じるいい1行だったなと感じました。
12巻待ってます!!
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