【彼女、お借りします】《18巻 後編》隠した一ノ瀬と告げなかった真実は正解だったのか

コミックス感想
この記事は約8分で読めます。

「彼女、お借りします」の18巻感想 後編です。

前編では本ブログで毎週投稿している感想記事のリンクと1話ごとの見どころをまとめ、後編で改めて気になるポイントを考察していきます!

18巻感想記事の前半はこちら!

17巻の感想記事はこちら!

18巻 あらすじ

水原主演映画も完成間近。しかし上映会の下見に行った先で、小百合が倒れてしまう。和也の前では気丈に振る舞っていた水原も、小百合と2人きりになると、次第に本音がこぼれ始める──。そんな時、「とある知らせ」を受けて飛び出していった和也が、再び病室に戻ってきて…? 『かのかり』史上最大の転換点。2人の「嘘」も大きく揺るがす第18巻!!

18巻で気になるポイント!

小百合婆ちゃんの死を迎えたことによって見えてきた和也と水原の壁、結局言えなかった真実がもたらすもの、墨ちゃんの恋愛の行方、が見どころだったかと思います。

それぞれ考察していきます!

表紙裏の墨ちゃんがトニカク可愛かった!

この墨ちゃんかわいすぎません!?!?

浮いてるんだかクルクルしてるんだかよくわかりませんが、どっちでもトニカクカワイイ墨ちゃん!

表紙をめくった瞬間にこの墨ちゃんが出てきてほんわかした気持ちになりました。

表情を見せなかった2人

個別の感想記事でも書きましたが、和也が小百合ばあちゃんの病室に入って映画を映し、そのまま出ていくときに読者視点では和也の表情が一切描かれませんでしたね。

唯一表情を見た水原が驚きと共に言葉を失っていることから、想像もしないような表情をしていたことが読み取れます。

普通じゃない状況で、怒っている訳もなく笑顔の訳でもないのであれば、やっぱり泣いていたんじゃないかと予想されます。

【17巻】満足度147 嘘と彼女①

強がっている水原を見ているだけでも涙目でしたし、結構涙脆いところがある和也。
病室に入ったことで小百合ばあちゃんの死をより現実感を感じて泣いてしまったのだろうと思います。

それを水原だけに見せて、読者視点では見せないのは粋な作りでしたね。

そして表情を隠したのは和也だけではなく。。

小百合ばあちゃんが亡くなった翌朝、病室の前で和也に別れを告げた水原は「理想の彼女」の笑顔をして去っていきました。

この話で水原の表情が描かれたのはこのシーンだけで、それ以外は表情が隠されていたんですよね。

和也に見せたのは「水原千鶴」で、唯一の肉親が亡くなって悲しみに打ちひしがれている「一ノ瀬ちづる」は隠しました。

水原も読者&和也に対して表情を隠したと言えると思います。

「一ノ瀬ちづる」でいられなかった理由

肉親が死んだ直後ですら、鉄の鎧を被って「水原千鶴」でいた千鶴。

和也に一ノ瀬ちづるを見せられなかった理由はいくつか考えられます。

  • 和也の直前のセリフで「お隣さん」と「レンカノと客」という関係に気づいた
  • 他人に弱みを見せられなかった

それぞれ細かい考察は以下の記事で行っています。

ただ、いずれにしても言えることは千鶴にとって和也を頼る事を選択しなかったという現実があり、頼れなかった理由があるということです。

2人の関係値が一線を引かなければいけない関係値であること、人に弱さを見せられない千鶴の”弱さ”が出てしまったことですね。

逆に言えばこれが和也と千鶴が付き合うための越えなければいけない壁であるとも言えます。

まずは和也と千鶴の関係値をお隣さん以上恋人未満にすること。
さらに、一ノ瀬ちづるの他人に弱みを見せられない弱さから助けてあげる事。

これが和也の目の前の課題であり、主人公としてやらなければいけないことですね。

・・・身も蓋もない事を言ってしまえば、面倒な事を考えずにここで和也に助けを求めていればそのままエンディングになった気もしますが・・・
そうできないのが「一ノ瀬ちづる」であり、弱さから生まれた強い「水原千鶴」なんだと思いました。

小百合ばあちゃんに真実を告げなかったことは正解なのか

小百合ばあちゃんに対して真実を告げることをしなかった水原。

この水原の選択は正解なのか、それとも誤ちだったのか。

それを考えるために嘘をつかれた小百合ばあちゃんの視点と、嘘をついた水原の視点で見ていこうと思います。

まずは小百合ばあちゃんの視点ですが、これに関しては作中ですでに答えがでていますね。

小百合ばあちゃんとしては、どちらの選択肢でも納得でした。

小百合ばあちゃんは、水原の嘘は大切な1つの真実を守るためだとわかっているからこそ、伝えても伝えなくてもどちらでも良いという結論に至ったんだと思います。

そして大切な真実を守るためにできる事を考えて悩むことができる人に育ってくれたことが満足であると。

なので、嘘をつかれている小百合ばあちゃんとしては、真実を告げなかった選択肢は「正解」と言って良いと思います
(というか、言ったとしても正解ではある)

真実を知ることができなくとも、嘘をつかれていることから孫の成長を感じ取れたのであれば、育ての親としても思い残すことはないのかと。

もう一方の水原視点では、小百合ばあちゃんの一連のセリフを聞いて罪悪感が残っているか否か次第だと思います。

これに関しては・・・現状では確定と言えるような判断材料がないんですよね。。。

ただ、小百合ばあちゃんの言葉を聞いても最後の最後まで伝えるかどうかを悩んでいたところを見ると、やっぱり真実を伝えるべきという思いは残っているのかなと。

であれば、「伝えなかったことの罪悪感」はあるのかなと思います。

判断するには確定材料はないものの、水原としては伝えなかった選択肢は「誤り」であると思います。

ただ、真実を伝えなかった事に対する後悔が残っていたとしても、一つだけ解決策があると思います。

嘘を真実にしてしまうこと

罪悪感を100%拭切れなくとも、水原が守りたかった真実を現実に変えることで罪悪感を緩和できるかなと思います。

墨ちゃんの勇気ある”お友達”宣言!

18巻で一番活躍したのは間違いなく墨ちゃんでしょう!

和也の迷いに見事な一発回答を示した墨ちゃんは、和也・水原を助けるための素晴らしい働きだったと思います。

・・・が、それは墨ちゃんにとっても諸刃の剣・・・

墨ちゃんが和也に恋をしているのは明らかで、和也が水原に惚れているのもまた明らかです。

和也に道を示してあげるということは、水原との恋路をより進めてしまうということでもありますが、それを理解しても尚水原のために、何よりも和也のために墨ちゃんができる最大限のアドバイスをしてあげました。

自分の恋よりも好きな人を助けたい、困っている人を見過ごせないという墨ちゃんの優しさが溢れるストーリーだったと思います。

そして、優しさだけでなく勇気も見せた墨ちゃん。

和也と水原が未だに越えられない壁である「レンカノと客」を越えてくる勇気ある一言ですね。

この一言を言えないからこじれた関係になっている和也・水原なので、この勇気ある行動は見習って欲しいところ。

深読みしすぎかもしれませんが、墨ちゃんが「和也を元気付けた先にあるものは失恋」だとわかっていたからこそ、「レンカノと客」以上「恋人」未満である「お友達」の関係を先に構築した・・・とかだったら墨ちゃん策士ですねぇ。

優しさ、そして勇気を見せた墨ちゃんの行動に敬礼!!<(`・ω・´)

ここは修正して欲しかった&されなかった

ここ修正されるかなと思っていたポイントが2点あるんですが、修正されませんでした。

1つ目は水原との元気付けるデート日付。

水原とのデート日は9/24なんですが、メール文面上は9/20になっていますね。
(ちなみに西暦が2020年から2018年に修正されていました)

これは予約日を指しているのか、修正漏れなのか、デート日は本当は9/24なのか。。
19巻が発売されないとわからなくなりましたね。

個人的には下記の記事で予想した小百合ばあちゃんの命日予想に直結するので早く知りたいところではあります。

2つ目は墨ちゃんが海に書いた文字。

前編でも触れましたが、小百合ばあちゃんのセリフの一部が手書きのような形に修正されていました。

それを見たときに弱々しい雰囲気がでているなっていう感想と共に、墨ちゃんの文字もも修正してくれているかなと期待したんですが・・・

砂浜にパソコン文字は修正されませんでした!

墨ちゃん、砂浜に綺麗な明朝体で文字書きすぎ・・・

18巻のさいかわ墨ちゃん!

水原のシーンはシリアスなものが多かったので今回は墨ちゃん!!

こんな小動物みたいな可愛い顔で目をうるうるさせながら上目遣いで見られたらもうね・・・

イチコロもいいところですわ・・・

キャラ関係図

麻美ちゃんの画像、久しぶりに更新したなぁ・・・
和也と水原の関係性は変わりそうな気配を見せているものの、18巻では変わるまではいきませんでしたね。

19巻へ続く!

19巻で待っているのは久しぶりの水原レンタル&和也一世一代の元気付けるデート!

久しぶりの2人のデートという楽しみもありますし、悲しんでいる水原を相手に和也が何をするのか、見どころさんしかありません!!


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