【彼女、お借りします】《満足度217 楽園と彼女㉙》の感想記事です！
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届かない水原の反撃
和也のことをけなされ、ついに麻美ちゃんに反撃をした水原。
怒りを感じながらも、あくまで麻美ちゃんは説得しなければいけない相手。
できる精一杯の理論で麻美ちゃんを説得にかかりましたね。
水原の言うことも確かに一理あるんですよね。
和也の家族の問題ですし、選択権は和也にあります。
（そもそも、もう彼女でもなんでもない麻美ちゃんが口を挟む問題では無いというのは置いといて）
『レンカノでもいいから彼女として家族を喜ばせる』
レンカノの利用目的としては合っていますし、和也がその選択をしたのであれば外野がとやかく言うことではありません。
・・・だけど、この理論は『最後に迷惑を被るのが和也だけ』であれば成り立つ理論。
麻美ちゃんの理論であれば、ストーカーまがいの行為を受けている水原という被害者がおり、嘘に振り回される木部達、嘘で喜ばされているお婆さんがいて、その嘘に合わせている麻美ちゃんがいます。
『理論』だけの話をするのであれば水原の言っていることは一理あるものの、説得力には欠けるかなという印象です。
それでもあの窮地からよく反撃はしましたけどね。
理想、現実、空想
麻美ちゃんの反撃は、まぁそう言うだろうなという様な内容でしたが、読んでて思ったのは麻美ちゃんは『空想主義』なのかなと。
（空想という言葉的には適していないかもしれませんが、悪い想像がすぎる、という意味で読んでもらえればと）
麻美ちゃんの話は悪い方向に進めば確かにその可能性があるものの、その結果になるかどうかなんてわからないんですよね。
常にリスクを考えるのは大事かなと思いますが、良い結果を追い求める和也の『理想主義』とは真逆の存在なのかなと、今回の話を読んでいて感じました。
（理想は良い想像ばかり、という意味で捉えてもらえればと）
そうなると主要３人の立ち位置的にもしっくり来るんですよね。
理想主義の和也、現実主義の水原、空想主義の麻美ちゃん
三者三様の立ち位置のキャラクターがいることで考え方も変わってドラマも生まれてくると思うので、勝手に納得してしまいました。
もしも水原の言葉にもっと説得力があれば・・・
仮に、水原が麻美ちゃんが反撃できないような説得をした場合はどうなっていたのか。
結論は『何も変わらない』ですね。
そもそも理論的には水原と麻美ちゃんで噛み合っている様には見えますが、そんな土俵で話をしていないんですよ。
麻美ちゃんは感情で話していて、水原も感情で話をしています。
ただ感情で話ができない二人なので、論理的に話しただけ。
それに麻美ちゃんの本心は被害者がうんぬんなんて次元とは別にありますし、水原も嘘をバラされたく無い理由は別にありますからね。
拗れた関係の二人が本心で話そうとしていないのに、溝なんて埋まるわけがありません。
だから感情を揺さぶらなければいけない
理論じゃ何も埋まらない二人。
反論もされてしまった水原にできることは、必死に頭を下げることだけ。
水原が頭を下げている理由、ですよね。
『和也に嘘の選択権をあげたい』という理論を納得して欲しいということではなく、その気持ち。
感情でしか届かない相手なので、むしろ必死に頭を下げる水原の方が麻美ちゃんには届くんじゃ無いかなと感じてしまいます。
他人のために必死に頭を下げる。
その気持ちが何なのか、麻美ちゃんは昔に亡くしていても知っていた気持ちです。
あとは水原がその感情を正直に話すことができるかどうかですね。
『恋心』を麻美ちゃんに気づかせることができれば麻美ちゃんの判断も変わってくるでしょうし、その感情が揺さぶられなければ麻美ちゃんの破壊衝動を止めることはできません。
第１ラウンドの理論合戦は水原の負けで終わりましたが、第２ラウンドの感情同士の戦いはどうなるのか楽しみです。
でもまた合併号かーーー
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