ひげを剃る。そして女子高生を拾う。の最終巻・5巻が発売されました!
・・・っていうのが今月1日の話。今書いている時点では6/20・・・
ラノベの感想って書くのが難しいんですよね。文字ばかりになってしまうので(言い訳)
まぁそんな言い訳は置いといて、ついに完結となったひげひろ。
沙優は無事に家出を終えることができたのか。
吉田と沙優の結末はどうなったのか。
そんな5巻の感想記事です!
アニメも絶賛放送中!!
毎週感想記事あげてます!こちらもよろしくお願いします!
沙優が東京に来た経路
北海道から東京。飛行機だと1時間半ぐらいなので、普通に移動しようと思えば別に難しいハードルではないんですよね。
ただ、沙優の場合はお金のない家出(ホテル代30万はありましたが)だったので、東京への移動手段は飛行機ではなく、陸路だったのかなと漠然と思ってました。
ビジネスクラスどころか、飛行機自体、初めて乗ったよ
2話 飛行機
その答え合わせが5巻で語られた上の一文。
最初は何も考えず北海道から東北、東京と歩んできたのかなと思ってましたが、冷静に考えるととんでもない旅路なんですよね。。。
海はフェリーで越えたとしても、陸路の距離・・・
お金もなしでどうしたのか気になるので、いつか語られて欲しいなと思ったりします。
積み重なった信頼だから言えたこと
沙優の家出物語を完結するために必要なことが結子の死を乗り越えること。
事件以来訪れていなかった学校。それも自殺が起こった屋上に寄った沙優と吉田。
人の”死”を、『済んだこと』だと、言う。
6話 フェンス
それも、その死に、まったくかかわりのない人間がだ。
人の死を「済んだこと」で片付けるのは、吉田の独白通り本当に恐ろしいことですよね。それができないから、沙優は悶えて苦しんでいるのに。
だけど、沙優自信が結子の死を自分のせいだと思っている状況を変えるためには、後ろを見ている沙優に前を向かせる言葉も必要でした。
道に迷っている子供を大人が導いてあげる。
そんな構図だったかなと思います。
ただ、そんな恐ろしい言葉でも前を向けたのは、沙優の吉田に対する信頼と、吉田との生活の中で前を向く大事さに気づいてきたという積み重ねの結果だったのかなと思います。
沙優の母親が
再開した時の沙優の母親の行動にはさすがに引きましたね。
「あんたのせいでいらない噂が流れて大変だったのよッ!」
7話 平手打ち
個人的には家出した娘にまずは叱りつけるのは理解でき瑠夏なと思います。ただ、その後に沙優を心配する言葉が一切出てきませんでした。それどころか、沙優の苦労ではなく母親自身の苦労を押し付けるばかり。
いやー、これはひどい。いくらヒスを起こしたり沙優が恨みの象徴だとしても、さすがにドン引きですね。こんな家絶対帰らないほうがいいわ。
さらに文句を言いたいのが一颯。一颯もこんな状況で沙優を連れ返そうとしたのかと思うと・・・正気かよって思っちゃいますね。
仕事が忙しいのかもしれませんが、全然母親の状況を抑えきれてないじゃない。
沙優の敵とまでは言いませんが、なんか母親の操り人形感でちゃったなと思いました。
そんなヒスを起こしている母親ですが、その母親に対しての吉田の叫びはグッとくるものがありました。
違う。俺が今すべきは、それではない。
8話 糾弾
コップの水をかけてしまえば沙優の母親と話にならないので大人として我慢する。
でも土下座をして頼み込む様子は、子供が必死にお願いをしている様子と被りました。
大人の冷静さと子供の様な必死さ。
沙優の前では常に『大人』でいようとした吉田らしくはない、情に迫る姿でした。
「なんで泣いてるの・・・・・・・?」
9話 親
「・・・・・〜ッ」
そして、沙優の代わりに怒り、泣く吉田。それを慰める沙優。
泣く子供とそれをあやす親の様な姿。
普段とは大人と子供の立場が逆転している姿に、良さを感じてしまいました。
一人になるまで理解しなかった吉田
大好きな人に毎日ご飯を作るの、幸せだった
11話 最後の夜
私、吉田さんのことが好き
12話 別れ
沙優からの告白をサラリと流し、空港での真正面からの告白も断った吉田。
「女子高生」という記号がついて回る以上、吉田はスタンスを変えませんでしたね。
あれだけ女子高生には手を出さないと言っていた吉田ですし、少なくとも女子高生の間は恋人にはならない、という断り方になるのかなと思ってました。
ですが、吉田の回答は女子高生の記号が取れた後も保証される断り方じゃなかったのが個人的に意外でした。
だって明らかに好きだろうよ、っていう行動しかしていないですし、一颯からも直前に「恋愛に年は関係ない」と何か気付かされる様な言葉をかけてもらっているので、ワクワク感があったんですけどねぇ。。
吉田自身、沙優を縛らないために言葉を選らんだ可能性もありますが、少なくとも「女子高生」の沙優に対しては態度を一貫していましたね。
そこまで態度を一貫した吉田はかっこよかったと思います。
ただ、態度を一貫したからこその悲劇が帰宅してからでしたね。
「大丈夫じゃないのは、俺の方だ・・・・・」
13話 生活
「ダメだ、全然・・・・・」
そして、家に1人となった時に「ひとりぼっち」に気づいた吉田の心情は涙するものがありました。読んでて辛さが理解できるので、本当に涙腺が緩くなりましたね。
辛すぎた。ここまで沙優という見知らぬ女子高生を助けるために一生懸命やってきたのに、その代償として残ったものが悲しさと虚しさ。
もちろん数年後に沙優と出会いはするものの、この時点ではそれを期待はしても実現するかどうか分からないだけに、本当に虚無感があったんだなと思います。
いや辛すぎ。マジで辛い。本当に涙が溢れる2秒前ぐらいでした。
吉田、よく頑張ったしエラいよ・・・
女子高生をひげのサラリーマンのお話は終わり
ここからは完全に個人の感想です。(上もそうだけど。)
ひげひろの注目ポイントの一つに、吉田と沙優が最後にどういった関係になるのかというのがありました。
結末としては北海道の女子高生と東京のITサラリーマンという別々の道を選ぶことになりましたが、エピローグで再開した二人。
ですが物語はそこで終わり。いい言い方をすれば読者に考察の余地を与える展開、悪い言い方をすれば結局どっちなんだっていうモヤモヤが残るオチだったかなと思います。
でもひげひろは『女子高生』と『ひげのサラリーマン』のお話だったので、そのアイコンが取れた後の2人のお話はまた別のお話。ここで語られる物語じゃないのかなと。
個人的にはそういう解釈です。
ただ、自分の頭はハッピーエンド厨なので、正直この終わり方には物足りなさをめちゃくちゃ感じてはいるところもあります。。。
ひげひろに限らず、主人公とメインヒロインが無事に結ばれてラブコメ完結!!を期待して読んでいるだけに、吉田と沙優はちゃんと恋人になって欲しかったなーと。。。
ただ、ひげひろでそれをしてしまうと、作品として沙優に手を出さないと守ってきたルールだったり、吉田の年上好きが崩れるとかはあるとは思うんですけどね。
とは言え沙優も大学生になってますし、性の趣向と実際の恋愛は違うってハッシーも言ってましたから。覆せる結末だっただけに、なおのことぐぬぬぬって感じです。
なので、私としては結末だけ明確にならなかったのがマイナスって感じですね。ただ、道中の物語は本当におもしろかったですし、難しい設定を扱いながらも繊細に心情が描かれた素晴らしい作品だったと思います。
「逃げても立ち直れる」、「たまたまの出会いによって救われた人たちがいる」というテーマもしっかり書ききれたかなと。
沙優と吉田だけではなく、沙優とあさみ、三島、後藤さんなどのエピソードも素敵でした。
これで一旦はひげひろも完結です。しめさば先生お疲れ様でした!
一旦完結といえど、Blu-rayにはまだ特典小説もついてくるので追加エピソードもありますし、きっといずれ短編+新規書き下ろしが刊行されるんじゃないかな〜と密かに期待をしていたり。。。
それにまだアニメも数話残ってますからね!
結末まで描かれるアニメもしっかり楽しみつつ、最終巻も読み返して余韻に浸りたいと思います!!
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コメント
・5巻までを総括するなら、とても素晴らしい感動する作品でありながら、もどかしさを感じる作品でもありました。
・もどかしさがどこからくるかと言うと、一言でいうとプロットの甘さです。具体的には、沙優にとって一颯の優しさは哀れみを感じさせるものでしたが、5巻ではその設定は無くなりました。アニメは9話で修正されています。そういう作中のブレは随所に見られ、自分だったら~、というもどかしさを感じました。
【東京に着た経緯】
12話の感想でも書きましたが、兄の家出援助は厄介者払い的な意味になり、沙優にとっての「とどめ」になったんだと思います。
でも、沙優は兄の助けを無意識に求めていたから、徒歩で東京まで行ったんだと思います。
【結子の死、毒母】
・私は1~4巻は複数回精読していますが、5巻の【結子の死、毒母】について2回目を読む気がなかなか湧きませんでした。たぶん違和感を感じていたんだと思います。
・理由が最近分かったのですが、作中「済んだこと」という台詞が最も重要であるかのように描かれていますが、臨床心理的に違うことが、ある人が言っていました。
・私もその言葉に講義を思い出し、沙優の中には「結子は勝手に死んだ。結子のせいで苦しむことになった」という隠したい本音があり、その本音を隠すために「自分のせいで結子が死んだ」と思い込もうとしているわけです。
・そこに気付いて、吉田が「結子が悪いで良い」と言ったことが、沙優の許し(気持ちの肯定)になり、臨床心理学的に一番重要なんですね。
・小説内の重点の置き方と、臨床心理的な見方の違いから違和感が生じ、この部分の読む気が失せていたんだと思いました。
・毒親については12話の感想に十分書きましたので省略します。
【吉田の気持ち】
・吉田が帰宅した場面は、私もかなり泣きました。
・ただ吉田の気持ちもそうですし、沙優の気持ちもそうですが、描き方には疑問があります。
・大型掲示板の書き込みに、「作中、他の人から見るとバレバレなところが描かれまくってる。3巻頭の夢(深層)、三島が見た「最愛の相手と久々に再会した主人公のような表情」、神田先輩から見た執着心、夏祭りの時のやり取りと反応。それらは三人称で書かれてるならそう素直に受け取ることが出来るけれど、一人称で書かれてるから「どうなんだよ?」って読み手は感じてしまう」があります。
吉田にしても、沙優にしても、冒頭に述べました「表現方法のもどかしさ」を感じてしまいます。
【その他】
一颯が感じていた、沙優の酷い状況のことはドラッグと強盗と明言されました。
心が壊れる寸前という4巻設定は放棄されたようにも感じます。(アニメもカット)
ただドラッグは心の壊れを表現していますので、強盗ではなく、別の表現にしてもよかったと思います。ただ、書き直された可能性は考えられます。
【エピローグ】
・吉田の心情を伏せて、ミスリードもあって、かなり難解でした。3回読み直して180度解釈が変わりました。
・まず三島ですが、仕事が生きがいのように打ち込んでいます。
・そこには理由があり、吉田と三島には色々あったと吉田は独白しています。普通に考えて、三島にあった出来事は失恋ですね。沙優のことが忘れられないことに三島は気付いた。もしかすると、三島が吉田に気付かせたのかもしれません。
・そして、吉田はそんな三島の理由を知っていると言います。
・つまり三島が失恋したと知っていると言うのです。それはつまり、吉田は沙優に気持ちがあることを自覚していることになります。吉田が沙優に気持ちがあると読めるのは、作中、ここしかありません。
・ただ、この後でミスリードがあります。
「俺にはまだ大恋愛が残っている」ですが、これをどうしたいのかを吉田は語っていないのです。
・普通に考えると成就させたい、そして後藤さんとの関係も深まっており、後藤さんに気があるように推測できます。でもミスリードなんです。
・三島が気付いたなら、後藤さんも気付いたはずなんです。吉田も色々あったと書かれていますが、たぶん仕事に身が入らないほど落ち込んだと思います。後藤さんがわざわざ吉田の席に行くようになるのは、吉田の状態の確認のためで心配だったからでしょう。そして食事に誘い元気づけようとしたのだと思います。
・実は「俺にはまだ大恋愛が残っている」は、吉田に気があろうと、無かろうと、どちらでもその表現の仕方しかできません。なぜなら吉田は告白しないと決めて待っている状態であり、しかも告白されない限り振ることも出来ません。だから後藤さんが告白しない限り、吉田に気が無くても大恋愛は残るんです。
・しかも後藤さんの用事と、あさみの用事に優先順位は無く、先着を優先しています。そこからしても後藤さんは大切にされていません。
・また、あさみとの会話は沙優を思い出せるので楽しみとも書かれており、吉田の中には沙優がいることが分かります。
・沙優との再会では「女性」と表現され、吉田の恋愛対象になったという意味が込められていました。しかも吉田の最後の独白は、普通にプロポーズです。こういう流れの中で、恋愛関係に決着がついていないと読むのは不自然と私は思いました。
・ただ、ここまで難解にする理由が分かりません。もっと言うと、最初のタイトル「剃り残した髭。あるいは女子高生の制服」に拘っている点も、同業者として私とスタンスが違うなと感じました。先生は吉田が嫌いと仰りその理由も語られておられますが、私は先生の拘りと吉田は似ていると感じました。
・沙優は社会人だと私は思います。吉田の指している「大人」が社会人を意味していたからです。
・兄は2年後の沙優の東京行きを全面的にバックアップすると言っていますので、就職先(吉田さんの家の近く)の斡旋や、吉田さんの家の近くのアパートを借りたりしたのでしょう。
【最後に】
新刊(?)情報が出ましたね。三島&後藤のエピローグの補完だそうです。
BD特典小説の1巻は、泣けるほどの対価水準の小説でしたので、それら+書き下ろしで短編集が出るんじゃないでしょうか?
私事ですが、カクヨムで2次創作の許可が出ました。タイトルはそのまんまで「ひげを剃る。そして女子高生を拾う。~沙優視点編~」です。覗いて頂けると幸いです。
>プロット
なるほど。自分は作り手視点やそういった能力がないので、見る人から見れば・・・というのはあるんですね。
そういった視点や能力があると、いつもいただくコメントの様に深い考察ができるのかと思うとうらやましくあります。。。
>エピローグ
三島の件も後藤さんの件も全くの同意ですね。
告白券は後藤さんが握ったままでしたが、2年前に東京に帰ってきてから吉田は後藤さんと付き合おうとは思っていないんじゃないかなと感じています。
沙優の手前、「待ってない」と言いましたが、多分本心とは違うのかなと。
なので、後藤さんがそのチケットを使ったのかどうかが気になります。
>最後の独白
なるほど。その辺は自分の理解力が足りていなかったですね。
自分の視点では「再開して終わり」としか捉えていなかったので、これが事実上の告白やプロポーズだとしても、その関係を明確にするところまで見たかったなという思いですね。
沙優の社会人は作中の流れから行っても、「食べていける様になる」を指している箇所がありましたし、おっしゃる通り社会人で上京してそうです。
となるときっと4月ぐらいの時期なんでしょうが、表紙の桜と少しリンクさせているのかもしれませんね。
(表紙は多分10月ごろだと思いますが)
>新刊情報
でましたね!後藤さんと三島にスポットを当てた作品らしいので、三島の恋の結末と後藤さんの恋の結末が描かれるのかなと思います。
多分、アニメ13話のエンディングで流れたシーンが収録されて、見どころになるんじゃないかなと。
特に吉田が後藤さんに頭を下げているシーンの内容が気になります。
>2次創作
おお、おめでとうございます!!
これだけ多角的な視点や感情の考察をしていらっしゃるので、期待値高く読ませてもらいます!!
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23時ごろ・・・かはちょっとわかりませんが、以下のアカウントからフォローされていれば自分ですね
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